ある地方公務員のうつ(鬱)ログ

うつ病になった某市役所職員の療養生活日記

芽生えた思い

 そんな私に芽生えた思いとは何か?

 

 仕事を休んで自宅で一日を過ごすようになって、必然的に家族と一緒に過ごす時間が増えたけれど、これまでは休日以外は家族と過ごす時間が少なかったなと改めて感じた。特に忙しいときには、子どもたちに会うのは朝出かける前のほんのちょっとの時間だけで、残業を終えて帰ったときには、もうすでに寝ており、寝顔を眺めるだけだった。

 今は、子どもたちが帰ってくると、宿題をがんばる姿を見守って、一緒におやつを食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に夕食を食べて、ときには一緒に寝たりしている。

 

 仕事人間の私には、こんな生活は今まで送れなかったが、今まで送らなかったことを後悔した。残業せずに早く帰っていれば、お風呂に入ったり夕食を食べるくらいは一緒にできたはずだ。

 子どもはいずれ巣立っていく。子どもと一緒に過ごせるのは巣立つまでの限られた期間だけだ。それなのに、家庭よりも仕事を優先したことで、子どもたちと一緒に過ごせたはずの貴重な時間を犠牲にしてしまった。

 

 日本人にとって長時間労働は美徳とされてきたし、その風潮は今もまだ生きていると思う。私もそれを美徳としていた。

 でも、立ち止まった今、これまでを振り返ってみると、今までの人生はこれでよかったのだろうか、楽しく幸せな生活を送れていたのだろうかと疑問に感じる。

 

 長時間労働が当たり前、仕事を優先するのが当然という考えでこれまでの人生を送ってきたことが、うつになってしまった根本的な原因のはずである。

 だから、これまでの仕事に対する考え方や生活スタイルを変えなければ、たとえ今回のうつが治療によって治ったとしても、また何年後かに再発する可能性は十分に考えられると思う。応急処置ではなく、根本的に自分を変えなければ、うつは繰り返し襲ってくるだろう。

 

 目指すべきは、元の自分に戻ることではなく、新たな自分に生まれ変わることだと考えるようになった。