処分の軽重
大相撲の英乃海と紫雷が違法スロット店で賭博をした件について、それぞれ1場所出場停止&2か月報酬減額20%とけん責となった。
この処分について、新型コロナ対策のガイドライン違反による処分(朝乃山は6場所出場停止、阿炎と竜電は3場所出場停止など)より軽いことが話題となった。このことについて、日本相撲協会は「大きく違う。ガイドラインの違反者が万が一、感染して本場所へ持ち込めば力士生命を脅かし、場所が中止になったかもしれない」とコメントしたとのこと。
確かに、法令違反(英乃海と紫雷)がガイドライン(協会の内規)違法(朝乃山や阿炎など)よりも処分が軽いというのはおかしな話だと思う。それに対する協会のコメントも、ガイドライン違反が感染を広めてしまったという結果を招いたのだとしたらまだわかるけれど、そうなったかもしれないという仮定の話で処分を重くしたというのはどうかと思う。
法律で定められたことに違反することと、協会の内規に過ぎないガイドラインに違反することの重みは全く異なるものであるし、前者の方を軽んじるなんてことはあってはならないと思う。今回の場合は、ガイドライン違反の処分を重くし過ぎたことで、過去の法令違反の処分に準じた今回の処分との処分の重さの逆転が起こってしまったのだろう。
世の中を騒がせている新型コロナに関することだからといって、それに流されて判断を誤ってはいけないということを世の中に示してくれたと考えたいが、処分が重過ぎた朝乃山たちがかわいそうでならない。